マイグレーション・・・よく聞くけど結局 『何?』
第18話のコラムで【P2V】をテーマにしましたが、【P2V】とともによく聞く【マイグレーション】・・・
そもそも【P2V】と【マイグレーション】の違いってなに??
と思ったことありませんか?
(私はあります… ちなみにIT用語って短縮してアルファベット3文字や似ているカタカナ多いですよね!おっと思わず心の叫びが…)
そこで今回はこの普段スルーしがちな用語の意味や違いを深堀りしていきます。
マイグレーションとは何か
マイグレーションとは、移行、移転、移住、移動、乗換などの意味を持つ英単語『migration』のことです。
この言葉が、ソフトウェアやシステム、データなどを別の環境に移転したり、新しい環境に切り替えたりすることを意味するIT用語として使用されるようになってきました。
つまり、既存の機器に構築されているオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションなどのすべてもしくは一部を、新しく用意した別の機器へ入れ替えることを『マイグレーション』というようになりました。
特にサポート切れなどの古いシステムから、最新の環境へ移行することを『レガシーマイグレーション(legacy migration)』といいます。
マイグレーションのメリット
- 運用やメンテナンスにかかるコストの削減
- 既存システムの有効活用
- 最新環境移行による生産性向上
マイグレーションのメリットを感じる具体的なシチュエーションとしては、次なようなものがあります。
マイグレーション使用シチュエーション
- ハードウェアの老朽化や保守期間終了によるハードウェア故障リスクの回避
- OSやアプリケーションなどのサポート終了による運用コスト増大、システム脆弱化の回避
- システム利用者数や取り扱うデータ件数の増加による性能低下の改善
- 古くなったシステムを運用できるスキルを有するエンジニアの不在
- ランニングコストの削減
「 会社の受発注システムのマシンが調子悪い…
でもこれを新しいシステムに切り替えるのって大変だ…
このままにして受発注システムが使えなくなると業務が止まる…
ああ…またシステムがフリーズした…
そうだ!
この受発注システムを新しいマシンで使えるようにすればいいんだ!! 」
このような状況が至る所で発生し、 その対策として移行作業を実施することで、『移行』=『マイグレーション』という言葉が浸透してきたのでは?と思われます。
上記のような背景が多いため、 『マイグレーション』といえば、ほとんどの状況が『レガシーマイグレーション(legacy migration)』といえます。
つまり、
『P2V』は『マイグレーション』の中に含まれる1つの移行手段なります。
「移行元(マイグレーション元)」と「移行先(マイグレーション先)」がどこになるのか<物理マシン(physical)・仮想マシン(virtual)>によって、マイグレーションには次の4つに分類することができます。
P2V・・・Physical to Virtual
物理マシン(physical)から仮想マシン(virtual)へマイグレーションする
P2P・・・Physical to Physical
物理マシン(physical)から異なる物理マシン(physical)へマイグレーションする
V2V・・・ Virtual to Virtual
仮想マシン(virtual)から異なる仮想マシン(virtual)へマイグレーションする
V2P・・・ Virtual to Physical
仮想マシン(virtual)から物理マシン(physical)へマイグレーションする
【補足:マイグレーションの工程】
基本的には
分析:既存システムの調査や移行資産の棚卸し
設計:各資産や機器を移行先環境でどのように実装するか検討
移行:設計に従って移行
テスト:移行結果の検証
という流れで行われます。
また、テスト工程は移行前に設計工程の検証を目的として別途行われる場合もあります。
マイグレーションの手法
本コラムでは「レガシーマイグレーション」を中心に紹介していきますが、マイグレーションには主に次のような種類があります。
レガシーマイグレーション
古いシステムから、最新の環境へ移行すること。
アプリケーションやデータベースなど使用中のシステムに含まれるものを丸ごと新しい環境で使用できる状態にします。
ライブマイグレーション
仮想環境で動いている仮想マシンの動作を停止させることなく、丸ごと別の物理サーバへと移行させること。
移行時に極短時間のネットワーク遮断が発生しますが、動作中の仮想マシン(クライアントPC)がマイグレーションの実行を意識することなく、新しい環境へ移行します。
データマイグレーション
システムやサーバーではなく、中身のデータを本位として移行すること。
使用するシステムやソフトウェアの変更により、移行前と移行後でデータ形式が変わる場合には変換が必要となります。
アプリケーションの移行
一部のアプリケーションのみ新しい環境へ移行すること。
基本的に新しい環境へそのアプリケーションをインストールして使用できる状態にします。
ストレージの移行
ストレージ(データの保存場所)を新しい環境へ移行すること。
内蔵ディスクや外付けディスクなどのストレージを新しい環境へ接続して使用できる状態にします。
データベースの移行
使用しているデータベースを新しい環境へ移行すること。
基本的に新しい環境に構築したデータベースアプリケーションへ、今まで使用していたデータベースのデータを移行して使用できる状態にします。
リビルド
システムを全面的に刷新して、データのみを新環境へ移行すること。
SaaS移行
既存システムの全部または一部を破棄し、ベンダーが提供するSaaSの利用に切り替えること。
マイグレーションする際には、一部のみ(アプリケーションやファイル、データベースなど)移行するのか、それとも現時点のシステムを丸ごと(レガシーマイグレーション)移行するのかを検討して、移行方法を決めていくこととなります。
【補足:マイグレーションとコンバージョンの違い】
マイグレーションに似ている言葉で「コンバージョン(Coversion)」というものがあります。
コンバージョン(Coversion)とは英語では「変換」、「転換」、「転化」という意味を持ち、例えばマーケティング用語では、コストが転換していくという意味合いから、獲得したリードからの最終的な成果目標として使われることもあります。
IT用語としてはデータやファイルを、別の形式に転換する場合にコンバージョンもしくはコンバートという言葉が使われます。マイグレーションが新しい環境への移行であるのに対して、コンバージョンはシステムを異なる設計のものに入れ替えることを指しています。
古いシステムを丸ごとマイグレーションするにはイメージバックアップが最適!
様々なマイグレーション方法がありますが、古いシステムをOSやデータ、アプリケーションを含めた状態で、丸ごと新しい環境へマイグレーションしたい場合は、【イメージバックアップ】が最適です!
異なる環境へ復元することでマイグレーションする機能が搭載されているイメージバックアップが多くあり、もちろん作業前の状態のバックアップを作成することもできるため、失敗しても何度でもやり直しすることが可能です!
そこで今回、イメージバックアップツール『ActiveImage Protector –RE』でマイグレーションにお役立ていただける情報をいつくかご紹介します。
マイグレーションにおける ActiveImage Protector –RE おすすめポイント
- 標準で異なる環境へ復元(マイグレーション)できる機能【A.I.R.(Architecture Intelligent Restore)】搭載
- P2V・V2V作業も簡単に行える『仮想化』機能も標準搭載
- イメージバックアップでディスク丸ごとバックアップしているため、一部のデータだけを復元(マイグレーション)することも可能
まとめ
マシンの状態やリース期間などの都合により使用中のサーバーに対するマイグレーションは、企業が必ず出会う課題です。
どの方法でマイグレーションを行う場合でも、マイグレーション作業前の状態をイメージバックアップにてディスク丸ごとバックアップを作成することをお忘れなく!
⇒ バックアップを作成しておけば、もしものときは復元して元に戻すことも可能です。
『ActiveImage Protector –RE』であれば、事前の状態を丸ごとバックアップ作成するだけではなく、標準機能でマイグレーションも行うことができ、一石二鳥で便利なツールとなりますので、ぜひご検討ください。
バックアップ
マイグレーション
なお、『P2V』に関してポイントとなる3つのコツについて、コラム第18話にてご紹介していますので、こちらも合わせてご活用ください!
この記事を書いた人
名前:あおい
担当プリセールスリーダー
バックアップ製品に携わり十数年。
今は桜子ちゃんにお任せして後ろに控え、バックアップ製品のように見守っています!
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