Windows11のバックアップ、どっちがおすすめ?デフォルト機能と市販ツールの比較

最終更新日: 2024年5月20日

パソコン業務において、データバックアップは、ビジネスの継続性を確保するために非常に重要です。
昨今ではランサムウェア対策としてもバックアップは重要とされており、セキュリティ面でも必要性が高まっています。
特に、現在多くの企業で利用されているWindows 11には、デフォルトでバックアップ機能が備わっており、またそれ以外の選択肢としても多くのサードパーティ製(市販品など)のバックアップツールが利用可能です。
本記事では、企業の経営者や情報システム担当の方が適切なツールの選択を行うための、それぞれのメリットとデメリットを解説します。

Windows 11のデフォルトのバックアップ機能

デフォルトのバックアップ機能のメリット

コスト効率

Windowsに組み込まれているため、追加のソフトウェア購入やインストールが不要です。

シンプルな設定

Windouwsの設定画面から有効にするだけなので、利用者は煩雑な設定を行うことなく、比較的簡単にバックアップを開始できます。
インターフェースも直感的で、基本的なバックアップニーズには十分対応可能です。

システム統合

OSに直接統合されているため、システムアップデートと共に機能も更新され、互換性の問題が少ないです。

デフォルトのバックアップ機能のデメリット

機能の制限

デフォルトのバックアップ機能は基本的なニーズを満たすものの、企業レベルで求められる高度なバックアップオプションは搭載されていません。
そのため、保存期間やバックアップのタイミングといったセキュリティ要件を満たす必要がある場合には不向きといえます。

オンラインバックアップ限定

デフォルトのバックアップ機能では、バックアップ先としてMicrosoftアカウントのクラウドストレージを利用するため、インターネットに接続していない場合は利用できません。
オフィスでのみ作業をする場合ではあまり問題になりませんが、外出先や工場のラインなど、必ずしもインターネットに接続されているとは限らない状況がある場合は注意が必要です。

職場のアカウントでは利用できない

現在、Windowsのバックアップ機能は個人ユーザー向けに提供されているため、職場や学校のアカウントでは利用することができません。
そのため、会社の管理するパソコンでは基本的に利用することができないでしょう。
法人企業がバックアップを行う場合、必然的にサードパーティ製のバックアップツールを利用する必要があります。

サードパーティ製のバックアップツールのメリット

高度な機能とカスタマイズ性

サードパーティ製のツールは、バックアップに関わる設定を詳細にカスタマイズし、企業毎の運用環境に合わせて調整する機能を有しています。
例えば、データの圧縮、暗号化、差分バックアップなどがこれにあたり、運用状況に即した設定を施すことでコストを抑えつつ安心の担保を両立することも可能です。

強固なセキュリティ

データの暗号化やオフラインバックアップによる物理的な隔離など、セキュリティ機能が充実している製品が多く存在します。

専門的なサポートとサービス

多くのサードパーティ製バックアップツールは専門的な技術サポートを提供しており、有事の際に復元が必要となった場合は直接的な支援を受けることができます。
特に、有事の際はちょっとした対応のミスが大きな損失にも繋がってしまうこともあるため、情シスのひとり対応や兼任対応の際は心強い味方となるでしょう。

サードパーティ製のバックアップツールのデメリット

コスト

高度な機能を提供するサードパーティ製のバックアップツールは、通常、ライセンス料や継続的な保守サポート費用が発生します。
また、サブスク型のバックアップサービスは契約終了と同時にデータが削除されてしまうことがあるため、乗り換えの際は並行期間が必要な場合もあります。

初期設定の複雑さ

豊富な機能と設定オプションがあるため、適切な設定の検証や管理環境の最適化が必要になり、有事の際に備えて確実に復元ができるよう、マニュアル化などが必要になる場合もあります。

互換性の問題

OSのアップデートによっては、サードパーティ製のバックアップソフトウェアが互換性を失うことがあります。
また、最新のOSへのアップデートを頻繁に行う場合は、メーカーの検証が終了するまでの間ですが、動作がサポートされない期間が発生する場合もあり、追加のアップデートやパッチの適用が必要になることもあります。

まとめ

企業の経営者としては、ビジネスの具体的なニーズとリソースに基づいて、適切なバックアップソリューションを選択することが重要です。
小規模なビジネスの場合は、Windows 11のデフォルトのバックアップ機能で十分な場合もありますが、職場のアカウントでは利用できないこともあり、基本的にはサードパーティ製のバックアップツールを比較・検討する必要があるでしょう。
もちろん、大規模なデータ管理が必要な企業や、特定のセキュリティ要件がある場合は、サードパーティ製のバックアップツールが必須となります。
バックアップツールを選定する際のポイントを解説した記事も紹介しておりますので、是非ご覧ください。

この記事を書いた人

株式会社ラネクシー ActiveImage -RE 担当者

長年にわたり培ってきたバックアップやキッティングに関する豊富な経験と専門知識を活かし、常に最新のトレンドや技術動向をキャッチしています。新たな活用方法の探求に情熱を持ち、皆さまの業務効率化や問題解決に役立つ情報をお届けします。

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